寄生虫の襲来!無害なら食べてもいいの?Invasion of parasite!you can eat it if is harmless?

A little biological time,海鮮魚介類

寄生虫と言っても母体となるものに寄生しているから寄生虫であって、
寄生虫と言う名前ではない! (笑)

 

初めて訪問の方はこちらを一読願います。→Select this first! はじめに(日本語有)

先日、貝をさばいて食べようと調理していたら・・・・。
「うわ~」と思わず声がでて、貝をまな板にポン投げ出して後ずさりしてしまった。

恐る恐る手を伸ばして、割りばしでコレをつまみ出します。
後に写る割りばしはその時のモノですが、何となくこれで大きさがわかりますか?結構デカいです!

割りばしでつまんだ感触は、一言で「儚い」(はかない)につきます。
生卵の黄身を、お箸でつまみ上げる時のあの感触です。

 

もっと近づこう。
危険な風貌に「死んでいるよう思わせて、いつ飛びついてくるかわからない」恐怖を感じつつ、
もっと観察したいので顔を近づけた。

 

 

こ、こんにちは!・・・・・・。お願いうごかないでください。

う~ん、吸い付く気満々の顔つきだ。

ところで、君の名は?

初めてみる君の名は、「ひもビル」という通り名で、結構ちまたに出没しているそうな。・・・とは言っても、
貝などを捌いて調理したことない人は出会うことはないでしょう。

このひもビルは、
日本では北海道が有名な産地の一つの北寄貝に、寄生する生物なんです。

結構な頻度で寄生しているみたいですが、
店頭に並ぶまで海水で砂抜きや掃除などされた北寄貝であれば、見かけることはほぼないです。

店先で、これが貝からのぞいていたら大騒ぎになりかねませんから、
市場では、市場に出荷せれる前に、
しばらく温度調整などして貝から出てきたこのひもビルを取り除いたもの主に並びます。
そしてセリや取引によって仲卸から
小売りへと流通します。
市場では、きれいにむき身にされてひもで通された北海道産のホッキは、
貝のままより高値が付きます。(完全にひもビルが取り除かれている)

その次が綺麗に掃除されたそのままの北海道産の北寄貝です。

この手の綺麗に掃除された北寄貝をよく買って捌くけど、今まで一度もこのひもビルにお会いしたことは、
そのような理由からです。

では、それより値段が安く取引される北寄貝は掃除がなされていないものになります。

居酒屋、料理やなどの飲食店は、利益が上がりますから手間をかけてもこれらを仕入れ、
捌いて、中ならひもビルがでてきたら取り除いて綺麗にしています。

このような飲食店の事情を聞いてもおどろかないでください。

魚には寄生虫と言われる生物はつきものです。
その寄生虫には無害なものと有害なものがいますが、日本人は魚を生食することから昔からその寄生虫の存在を
知ったうえで,その危険性をなるべく避けて食べる方法を取り入れてきました。

有名なのは、北海道の「ルイベ」です。生の鮭は危険なことは昔から知られています。
その寄生虫は目視できない寄生虫もいることから鮭の刺身を冷凍させたものです。

冷凍させる理由は鮭に寄生するアニサキスやサナダムシなどの寄生虫を死滅させるためです。

それと、淡水の魚は寄生虫の危険がありますから、生食は厳禁なことも周知の事実です。

刺身もまた、身を薄くしてたべるでしょ。あれも目視で取り除けるものは取り除く工夫からでしょう。
さらに、丸ごとかぶりつくより食感もよいし、うまみも感じられることから定着した調理法だとおもう。
一石二鳥な成り行き。

お店の調理場やスーパーなどでも、捌いた魚の寄生虫を有害、無害に関係なく見つけては、取り除いて提供しているんです。
日本人であれば魚と寄生虫の関係性はぜひとも理解しておきたいですね。

さて今回は、珍しく砂にまみれて貝の外側も掃除されていない状態のものが売られていました。珍しいですね。

一日2日、砂抜きを試みたけど、抜けきれない感はあります。


やっぱり、砂を噛んでいますね。販売用に掃除されていなければ、普通はこうです。

 

味に変わりはないので買ってみたところ、中から「こんにちは!」と、ひもビルが出てきました。(笑)

「北寄貝」は、甘みがあって、貝の身の弾力も旨みのうちのとてもおいしい貝です。
「北寄りの貝」と書いて北寄貝。


英語表記だと「Sakhaline surf clam」と言います。
頭にサハリンの地名がつくことを考えるだけで、極寒の海に生息しているのが想像できます。
北海道では、一部南の日本海側をのぞいてほぼ全域で水揚げがある貝なんです。

 

極寒の海じゃね、ひもビルも生卵の黄身のように、はかなく薄い衣では、
北寄貝に寄生して、ぬくぬく暮らしたいと思うのも無理はないよね。

すしネタとしても人気の北寄貝ですが、これだけ流通が盛んな割に西の方では、まだメジャーな貝とは言えない感があるみたいです。北海道では、もちろん。関東以北の太平洋側、宮城県の湾岸地域ではとても身近な食材でホッキめしに、湯引き、すしに刺身で食べられます。宮城県といえば、赤貝も質が良くて有名ですね。


活ホッキ貝を調理して食べるのが一番おいしいわけです。
できれば、加工されているホッキサラダなどはお勧めしません。
一見、色がすごく赤くてうまそうに見えますが、海外産の味も食感も北海道産に比べると見劣りするものになります。

これを見てください。これは活ホッキをちょうど良い加減で熱通しをしたホッキです。

 

当たり前ですが、熱を通すことで生だとダークな色合いの先っぽは、ほんのり桜色になります。
色のグラデーションが綺麗でしょう。これが日本産、しかも北海道産の北寄貝です。
この桜色の部分が真っ赤で、境目がくっきりしているものは海外産の加工品です。

熱を通す時間や加工の仕方で色はどんどん変化します。
加工して出荷するためにしっかり熱を加える、言うなれば加えすぎるから身も固くて風味もきえてしまうのです。

勿論、個体により差はありますが、生の時には薄黒い色が濃いものが鮮度がよく、
熱を通して、グラデーションの綺麗な紫から桜色のころあいで食べるのが口に入れた瞬間に一番おいしいと感じます。

ホッキ貝は、その成分にグリシンやアラニンという遊離アミノ酸が多く、タウリン・カルシウム・マグネシウムほか。

血圧の降下作用やコレステロールの上昇を抑えて、高血圧や脳卒中の予防につなげてくれる要素がふんだんに北寄貝には含まれています。

貝のお話が先行してしまいましたが、本日の主役はひもビルです。

詳しく見ていきましょう!

短時間で水分が抜けていきます。すでに死んでいたのか?それとも、
寄生先のホッキから離れた途端に活動が低下するのかまではわかりません。
遭遇にびっくりしてしまい観察を見逃してしまいました。

真ん中に何やら線のようなものが見えますが、調べるとこれは腸のようです。

調べを進めていくとさらに驚きの事実が発覚!

このひもビル、なんと「頭」だと思っていた吸盤がお尻で、三角の先の細い方が頭だという事がわかりました。

てっきり吸盤で吸い付いて、ホッキの成分をチューチューしているのかと思いましたが、吸盤は張り付くだけのモノらしい。

体長は遭遇したもので4センチありました。

先程真ん中に線のように見えるのが腸と伝えましたが、
このひもビルは口からおしりまでずっと腸一本でつながり、体中が腸という事にびっくりしました。
そもそも口にしたものを消化する胃の必要が無く、成分を吸収する腸のみで事足りるっということなんでしょうね。

ひも型動物門有針綱ひもビル科に属することがわかりました。体長は3.5~4cm。最大体幅1cm。
とあるのでこれは成体でいいと思います。腸に他にこの目に見える腺は、腸と生殖腺とも書いてあります。
目は無くヒルのように移動するからひもビルの名が付いた。学名はMalacobdella Japonicaと書いてある。

さらに、人が食べたとしても無害だそうだ。
でも4センチもあるこれが、食卓に上がっても気持ち悪いだけで食べる気にはなりません。

このひもビルが美味しいか否かはわかりませんが、
昨今、未来の人類のために昆虫食も注目されています。

海の中の寄生虫で無害なものであれば、これから先に注目されていく可能性は十分あります。

何せ海の中の美味しい食材に寄生しているのですから、味も栄養もその北寄貝に由来するのではないでしょうか。